「もう無理かもしれない…」
朝、目が覚めても体が重くて起き上がれない。会社のことを考えるだけで胸が締め付けられる。そんな日々が続いて、気づいたら私は適応障害で休職していた。休職して3ヶ月。少しずつ心と体が回復してきた頃、次の大きな壁が立ちはだかった。
「このまま復職するべきか、それとも転職するべきか」という問題だ。きっと今これを読んでいるあなたも、同じような悩みを抱えているんじゃないだろうか。
「逃げたい」気持ちだけで転職活動を始めたら…
メリット・デメリットを書き出して、理屈で考えようとしても答えが出ない。そんな経験ない? 実は私、休職直後に転職サイトを開いて気づいたことがある。「逃げたい」だけでは、絶対に上手くいかないという現実に。
転職の軸が見えなくなっていた私
正直に言うと、休職してすぐの頃、私の頭の中は「とにかくこの会社から離れたい」という思いでいっぱいだった。転職サイトを開いて求人を眺めては、「どこでもいいから、今の場所じゃないところに行きたい」と考えていた。でも、この動画を見て目が覚めた。
適応障害の経験を持つ当事者が語っていた言葉が、私の胸に刺さった。ネガティブな動機が先行する転職活動は、面接官に伝わってしまうという現実だ。
面接官には全部見透かされている

「なぜうちの会社を志望したんですか?」
この質問に対して…



「今の会社がつらいから」
なんて答えられるわけがない!かといって、本当に心からその会社で働きたい理由なんて、「逃げたい」だけの私には見つけられなかった。転職したい理由が「とにかく何でもいい、逃げられるなら何でもいい」では、説得力のある志望動機なんて作れないんだよね。これ、めっちゃ分かる。
転職活動って、想像以上に心をすり減らす


復職より転職の方が楽だと思ってた? 私もそう思ってたんだけど、実際に調べ始めて驚愕した。転職活動そのものが、回復中の心身にとんでもない負担をかけることに。しかもそれが、回復を遅らせる引き金になるなんて…
求人サイトを開くだけで疲れてしまう日々
転職活動をしようと思って調べ始めたとき、もう1つ気づいたことがある。それは、転職活動そのものが心身に膨大なエネルギーを必要とするという事実だ。履歴書や職務経歴書を書いて、企業を調べて、面接の準備をして、何社も受けて…。健康なときでさえ大変なのに、適応障害から回復中の私にそんな余力があるだろうか?
実際、転職サイトを開くだけで疲れてしまう日もあった。求人を見ては「これは違う」「あれも違う」と思ううちに、気力が尽きてしまう。中途採用は驚くほどのスピード感で進むし、休職中で時間があっても、結果が出ない中でモチベーションを保ち続けるのは本当に難しいと感じた。
エネルギーを守ることも立派な戦略だった
だから私は、今回はあまり転職活動らしいことをしてこなかった。勉強はしていたけれど、本格的に動き出す気力がなかったんだ。心身のエネルギーを守ることは、適応障害からの回復戦略で最も重要な要素という言葉を聞いたとき、「ああ、私は間違ってなかったんだ」と思えて、少しホッとした。
その視点から考えると、復職という選択肢は、転職活動という消耗戦を避けて、回復にエネルギーを集中させられる賢い選択なのかもしれない。
復職で一番怖いのは、仕事じゃなくて「あの空気」


じゃあ復職すればいいのかって? それが、そう単純でもないんだよね。復職における最大の壁は、実は業務内容じゃない。もっと言葉にしづらい、でも確実に存在する「何か」。あなたも心当たりない?
腫物扱いされることへの恐怖
復職には大きな壁がある。それは仕事内容そのものじゃない。もっと言葉にしにくい、でも確実に存在する「何か」だ。復職後の気まずさや、周囲から腫物のように扱われてしまう可能性。これが復職における最大のハードルなんだと気づいた。「久しぶり」って声をかけられたとき、みんなどんな顔をするんだろう。
- 「大丈夫?」って心配そうに見られるんだろうか
- 何も言わずに距離を置かれるんだろうか
実は私、以前の転職も、腫物扱いされるのが怖いという理由があったんだよね。周りの人が気を遣いすぎて、変に優しくされたり、逆に触れないように避けられたり…そういうの、想像するだけで息苦しくなる。
私の場合は意外と大丈夫かもしれない
周りに気を遣われることが大きなストレスになるタイプの人は、復職が現実的ではないかもしれないという指摘は、本当に的を射ていると思う。ただ、幸いなことに、私の休職について悪く言っている人はいないと聞いている。上司も同僚も理解を示してくれているらしい。パワハラ上司がいるわけでもない。
だから、もしかしたら私の場合、このストレスは思ったより少ないのかもしれない。
もし転職するなら、面接でどう話す?


転職活動をするとなったら、一番悩むのが「休職のこと、面接で正直に話すべき?」という問題。ネットで調べても意見はバラバラで、余計混乱しちゃうんだよね。でも実は、すごくシンプルな2つのルールがあるんだ。
自分から不利な情報は言わない
それでも「もし転職することになったら…」と考えることもある。そのとき一番不安なのが、「休職のことやメンタルの不調について、面接でどう話せばいいのか」という問題だ。この点について、二つのシンプルなルールがある。
- 自分から不利な情報は言わない
- でも、直接聞かれたら正直に答える
わざわざ自分から「実は適応障害で…」と切り出す必要はない。代わりに、客観的に状況を説明する方法がある。例えば、「前職はかなりの激務で、一つ一つの業務を丁寧に行うことが難しい環境でした」といった言い方だ。これは嘘じゃない。事実を、採用担当者にとって重要な情報に焦点を当てて伝える戦略なんだ。
聞かれたら正直に答える勇気
一方で、休職期間などについて面接官から直接質問があった場合は、誠実に答えるべきだと思う。もし正直に話したことが原因で不採用になるなら、その会社はそもそも自分にとって良い環境じゃなかったと考えられる。誠実に対応して、それでも受け入れてくれる企業こそが、自分に合った職場である可能性が高いんだよね。
うん、なるほど! もし転職活動することになったら、このルールを参考にしよう。
結局、答えはシンプルな一つの問いにあった


メリット・デメリットのリストを作って、家族や友人に相談して、ネットで情報を集めて…それでも答えが出なかった私。でも、たった一つの問いかけが、霧を晴らしてくれた。しかもそれは、驚くほどシンプルで、気楽なものだったんだ。
「まあ、戻ってもいいか」と思えるかどうか
転職活動のエネルギーコストや、復職の社会的な壁を考えた場合、次の問いに答えられるかどうかが大切。
「その会社に、まあ戻ってもいいか」
これだけだ。注目すべきは、「戻りたいくらい好きか?」とか「戻るのが楽しみか?」といった高いハードルじゃない点だ。「まあ」という、気楽な許容のラインを越えられるかどうか。熱意や愛情じゃなくて、「まあ、戻るのも選択肢として許容できるかな」と思えるかどうか。この最低限のラインを、自分の心が越えられるかが全てなんだ。
私の心が教えてくれた答え
この問いを自分に投げかけたとき、私の心は意外とすんなり答えを出してくれた。



「まあ、戻ってもいいかな」
3ヶ月休ませてもらって、色々大変だったけれど、お世話になったのは間違いない。パワハラ上司がいるわけでもないし、同僚たちも理解してくれている。仕事内容だって、嫌いじゃなかった。もし、この問いに対して「いや、それはない」と心が強く抵抗を示すなら、復職すべきじゃない。その心の抵抗こそが、最も信頼すべきサインだ。
明確な「NO」は、困難な転職活動を乗り越えるための、本物で力強いモチベーションに変わるんだよね。
まとめ


「復職か、転職か」論理や他人の意見を一旦横に置いたとき、あなたの心は、どちらの道を「まあ、いいか」とささやいているだろうか。メリットやデメリットを並べたリストよりも、自分自身の正直な感情が、最終的な道しるべになる。たとえそれが困難な道を指し示していたとしても、その答えを信じてみてほしい。
私は今、気楽な気持ちで復職を選ぼうとしている。完璧な環境じゃないかもしれないけれど、「まあ、戻ってもいいか」と思える。それだけで十分なんだと、ようやく気づけたから。あなたの心の小さな声に、耳を澄ませてみてね。
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