「また月曜日が来てしまう…」日曜日の夕方、胸の奥で感じる原因不明の痛み。あなたも毎週この絶望感を味わっていませんか?朝の通勤電車で突然涙が溢れ、同僚の視線を避けるためにトイレに駆け込む。上司からの呼び出しメールを見ただけで動悸が止まらない。私も全く同じでした。
私は地方公務員3年目で適応障害を発症し、1ヶ月以上続く吐き気・頭痛・倦怠感に苦しんだ経験があります。「朝まで働く人は偉い」と称賛される異常な組織文化。健康を犠牲にする働き方が美談とされる環境で、私の心は完全に壊れました。でも今は塾長として、充実した毎日を送っています。
勇気を出して環境を変えたからこそ、現在の充実した日々があります。もし今、同じような状況で悩んでいるなら、ぜひこちらの記事をご覧ください。
地方公務員をやめたくなる本当の理由とは

人員削減と業務量激増の中、地方公務員の精神的負担が限界に達しています。20代の早期離職は10年で3倍、メンタル不調による長期病休は2.1倍に急増。公務員の心身を蝕んでいる現実を、データと私の体験談から検証します。
データで見る地方公務員のメンタル不調実態
最新の調査データが示す地方公務員の置かれた状況は、想像以上に深刻です。
• フレックスタイム制導入率:5.1%
総務省より
• テレワーク実施・支援自治体:7%
• 地方公務員数:平成6年から約48万人減少し、業務量は激増
公務員の過労死・過労自殺の労災認定は年々増加傾向にあります。地方公務員が「やめたい」と感じる理由は、下記のとおりです。
• メンタルヘルス不調の急増
ジチタイワークス、リクルートワークス研究所、山梨総合研究所より
• 過重労働
• 人員削減による業務負荷増
• 組織文化と個人の価値観のミスマッチ
• キャリア形成の困難さ
私が体験した2つの根本的問題
私は実際に公務員として勤務していく中で、次の3つの問題を目撃しました。第一に組織文化の異常性です。先輩が休日返上で働き、過労死者まで出る環境で、「朝まで働く人は偉い」と称賛する先輩の発言に衝撃を受けました。健康を犠牲にする働き方が美談とされる組織体制に対して不信感を抱きました。
第二に極端な裁量権制限です。些細な事務作業や資料の文言変更まで、些細な判断も上司承認が必要で、自己決定できることは皆無。責任だけ負わされ権限は与えられない矛盾に、日々虚無感とストレスが蓄積されました。上記の問題が重なり、公務員としてのキャリア形成は難しいなと感じました。
適応障害発症から回復までの記録

入庁3年目から日曜夕方の胸の痛みで始まった症状は、長時間労働と休日出勤により深刻化。通勤中の突然の涙、食欲不振を経て、感情コントロールを喪失しました。「適応障害」と診断され、1ヶ月の休職。最終的には環境改善のため転職を決意しました。
症状進行と具体的な変化
私は入庁3年目から、日曜日の夕方に原因不明の胸の痛みを感じるように。「明日また職場に行く」と考えるだけで呼吸が苦しくなったのを覚えています。当時は「ちょっと疲れているだけ」と自分に言い聞かせていました。数か月経つと症状は深刻化し、朝の通勤途中で突然涙が止まらなくなりました。
平日21時までの残業と土日出勤が当たり前。食事も喉を通らず、家族からの心配の声さえ耳に入らない状態だったのを覚えています。ある日曜日にサービス出勤をしていた時のことです。私は感情のコントロールが利かなくなり、トイレの個室で泣きじゃくりました。
トイレの個室で30分間泣きつくしたあと、「もう限界だ」と悟りました。
心療内科での診断と治療プロセス
私は家族の勧めもあり心療内科を受診。初診では問診票に記入するだけで疲れ果て、医者に溜まった思いを伝えました。診断結果は「適応障害」でした。
- 環境ストレスから1ヶ月以内に症状出現
- 重度の抑うつ気分や不安
- 環境調整と十分な休養が必要
カウンセラーからは「あなた自身に問題があるわけではない。環境ストレスが原因で、適切な環境では改善します」と言われました。3年間自分を責め続けていた重荷がスッと軽くなったのを覚えています。
1ヶ月休職期間での段階的回復
1周目は1日9時間以上の睡眠をとりました。体と心を完全に休息させるためです。2~3週は少しずつ落ち着いた日常を過ごすように心がけました。散歩や読書で活動量を少しずつ増加させています。家族との会話でリフレッシュしていたのです。最後の週を迎えたとき、「いつか転職しよう」と決断しました。
公務員としてのキャリア形成は難しいと判断した私は、1年後での退職を決意したのです。
転職成功への実践的ロードマップ

適応障害の経歴を開示した転職経験について紹介します。面接では回復状況と経験から得た気づきを伝え、「弱さ」と思っていた経験が教育現場での「強み」として評価されました。転職活動ではdodaを活用。市場価値分析や面接対策などのサポートを受けました。
適応障害経歴の正しい伝え方
適応障害の経歴について、私は正直に開示。隠したまま入社しても同様の環境では再発リスクがあり、理解のない職場であれば避けるべきだと考えたからです。適応障害を患った経験は、プラスに転換できると判断したのも理由です。面接では次のように説明しました。

「前職では業務の多さにより適応障害を発症しましたが、現在では完全に回復しています。適応障害を通じて、自分に向き合うことができたのは貴重な経験となりました。」
面接官からは「適応障害を患ったからこそ、子どもたちに気を配っていただけそうですね。教育現場では、そうした感性こそが大切です」との反応をいただきました。私の「弱さ」だと思っていた経験が、実は「強み」になるのだと気づかされました。
実際に使った転職サービス


包括的転職支援(doda)
転職した際に利用していたのが、dodaです。dodaのサービス内容は次のとおりでした。
- 法令理解や文書作成、調整力の市場価値分析
- 面接での一貫したストーリー構築
- 企業の社風と自分の適性のマッチング分析
転職後の新生活:完全回復の証明


公務員から塾長としての転職を実現し、働き方が改善されました。生徒の成長を直接実感できる環境で内発的動機が満たされ、適度なプレッシャーが成長につながっています。現在は質の高い睡眠と充実した休日を確保し、適応障害の再発を防止できています。
働き方の劇的改善
公務員時代と塾長として勤務している現在との比較は次のとおりです。
教育委員会時代 | 現在(塾長) | |
---|---|---|
朝の気持ち | 憂鬱、行きたくない | 楽しみ、今日も頑張ろう |
週末 | サービス出勤、祭り手伝い | 週休をきちんと取れる |
有給休暇 | 4年間で1日も取得できず | 必要な時に取得できる |
裁量権 | 草刈りまで指示される | 授業内容・経営方針を自分で決定 |
上司の言葉 | 「仕事ができない」 | 「いつもありがとう」 |
成果実感 | 疲れでそれどころではない | 生徒の成長を直接確認 |
適応障害再発防止の要因


私が現在の仕事で健康的に働けている理由は3つです。第一に、従来の職場で感じていた環境ストレス要因が排除されたことです。以前の職場では、ちょっとした業務でも稟議を通す必要がありましたが、現在は過度な承認プロセスが存在しません。第二に、内発的動機が充足されていることです。
子どもの成長をサポートでき、生徒や保護者から「ありがとう」という言葉をいただけます。テストの点数向上や志望校合格といった直接的な成果を確認できることも大きなやりがいです。
第三に、適度なストレス環境が整っていることです。生徒や保護者に対する責任感から生まれるポジティブなプレッシャーは、私の成長につながっています。目標設定も達成可能なレベルで段階的に設定されており、着実な成長実感を得られます。これらの環境変化により、現在の健康状態は良好です。
毎日8時間の質の高い睡眠を確保でき、心療内科にも通わずに済んでいます。休日はリフレッシュでき、仕事のことをあまり考えずに過ごせています。
あなたの転職成功のための行動指針


適応障害は、現代社会で増加している心の健康問題です。公務員など責任の重い職業では、症状を見過ごしがちで深刻化するケースも少なくありません。早期発見と適切な対処により症状の改善が期待できるため、まずは自分の状態を客観的にチェックしましょう。
緊急度別セルフチェックリスト
「もしかしたら適応障害かも?」と悩まれている方は、下記のチェックリストを活用してみてください。
【緊急度:高】以下の症状に3つ以上該当する場合、早急な環境調整が必要
- 日曜日夕方からの憂鬱や不安
- 朝の通勤時の動悸やめまい、吐き気
- 平日夜・休日も仕事のことが頭から離れない
- 2週間以上続く睡眠障害や食欲不振
- 「このままでは壊れる」という危機感
- 家族・友人から「最近変だ」との指摘
- 仕事のミス増加
- 感情のコントロールが困難
【緊急度:中】以下の症状に3つ以上該当する場合、転職の検討も必要
- 毎朝起きるのが辛い
- 仕事にやりがいを感じない
- 上司・同僚との関係にストレスを感じる
- 将来のキャリアが見えない
- 有給休暇を取りにくい
- サービス残業や休日出勤が常態化している
引用元
厚生労働省「ストレスチェック制度 実施マニュアル」
医療機関による職場うつ・ストレス症状解説(医療法人社団医心会)
メンタルヘルスチェックリスト・セルフチェック(大正製薬・あんしん財団等)
段階的アクションプランの実行方法


転職が必要だと感じた場合は、最初に情報収集を行ってみてください。dodaを活用して公務員の市場価値を客観的に確認し、同業界・異業界での選択肢を把握します。年収相場と転職可能性について現実的な評価を行いましょう。自己分析についても大切です。ポジウィルキャリアを利用して適性と価値観を明確化するのをおすすめします。
現在抱えているストレス要因を詳細に分析し、理想的な働き方を言語化しましょう。履歴書・職務経歴書の準備を開始し、公務員経験の棚卸しを行ってみてください。業界・職種のリサーチを通じて、公務員経験を活かせる分野を特定します。面接対策も行い、適応障害の経歴について適切な説明ができるよう準備します。
筋トレや散歩などの運動習慣を確立し、自律神経の調整を図るのも大切です。孤立感を解消するため、信頼できる相談相手を確保するのも効果的です。仕事とプライベートの境界線を明確に設定し、定期的に症状の変化をモニタリングしましょう。
まとめ:あなたの人生はあなたが変えられる


地方公務員として働く中で「やめたい」と感じるあなたの気持ちは、決して甘えでも弱さでもありません。私は適応障害という深刻な体験を通じて、健康を犠牲にする働き方からの脱却を実現しました。現在は毎日が充実しており、あの時の決断がなければ今の幸せはありません。
適応障害は環境の問題であり、あなたに問題があるわけではありません。転職は可能で、適切なサポートを受けると成功率は向上します。辛い体験も含めて、これまでの経験は意味のある財産となります。一人で悩み続ける必要はありません。信頼できる専門家に相談することから始めてみてください。
有給ゼロ、休日出勤当たり前、人格否定の言葉といった地獄のような日々から抜け出すことも可能です。あなたの人生は、あなた自身の手で変えられます。私の体験が、あなたの前向きな一歩のきっかけになることを心から願っています。
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