AIブームの中で、あなたは何を追いかけていますか?新しい技術を学び、効率を上げ、成功を目指す…それ自体は悪いことではありませんが、もしかすると大切なものを見落としているかもしれません。齋藤孝さんの「読書する人だけがたどりつける場所」を読んで、私は改めて気づかされました。
AIに振り回される人生ではなく、自分の人生をいかに深く生きるかが本当に大切なんだということを。今回は、適応障害で休職中の私が、この本から学んだ「読書がもたらす本当の価値」について、実体験を交えながらお話しします。きっとあなたも、スマホを置いて本を手に取りたくなるはずです。

書名:読書する人だけがたどり着ける場所
著者:齋藤孝
出版社:SBクリエイティブ
出版日:2019/1/7
読書は「体験」|ネットとは全く違う没入感がある

この本で印象的だったのが、「読書は体験であり、著者と二人きりで狭い空間の中で、逃げ出さずに話をするようなもの」という表現でした。
ネット情報は「消費」、読書は「対話」
正直に言うと、私も休職してからスマホでニュースやSNSを見る時間が圧倒的に増えていました。でも振り返ってみると、ただ情報を食べているだけで、心に残るものは何もなかったんです。一方で読書をしていると、著者と膝を合わせて対話している感覚があります。
齋藤さんの言葉を借りれば、読書はまさに「逃げ出さずに話をする」体験そのもの。この違いを実感したとき、なぜ読書が特別なのかがストンと腹に落ちました。
情報化社会の罠から抜け出す
齋藤さんは「情報化社会と言われながら、有用な情報にはあまり接していない私たち」と指摘しています。耳が痛い話ですが、確かに私たちは情報に溺れながらも、本当に価値のある情報には触れていないのかもしれません。読書は、この情報の洪水から一歩引いて、質の高い思考に触れる貴重な時間なのです。
AIの時代だからこそ、教養が人生を決める

「AIに負けないことを目的に据えて生きるのは本末転倒」という齋藤さんの言葉に、私は深く共感しました。
焦燥感を感じていた理由
私も、AIを勉強している中でどこか焦燥感を感じる時がありました。「追いつけ追い越せ」の精神で技術を学んでいても、なんだか心が満たされない。成功するために学ぶだけでは、どこか薄っぺらい感じがしていたんです。でもこの本を読んで分かりました。大切なのは「AIに関係なく、自分の人生をいかに深く生きるか」だったんです。
教養のある人生とない人生、どちらを選びますか?
齋藤さんは率直に問いかけます。「教養のある人生と、教養のない人生。どちらがいいですか?」私の答えは明確です。たとえ事業で成功しても教養がない人は、絶対に痛い人になってしまう。そんな成功は私はしたくありません。
人間にとって最も重要なのは精神文化であり、その深みは読書によって作られるのです。
知識を持つほど世界が広がる|驚きが探究の始まり

「驚くことが知の探究の始まり」という言葉も心に残りました。
読書で得た知識が会話を豊かにする
私もよく「そんなことをよく知っていますね」と言われることがあります。でも振り返ってみると、それは読書を通じて感動した瞬間を話しているときなんです。齋藤さんは「本を読んだら人に話すこと」を勧めています。話始めると思考が働くからです。実際、読書で得た知識や感動を人と共有するとき、自分の中でも新しい発見があります。
偉人の器に触れる贅沢な時間
今は本当にたくさんの本があり、色んな偉人に手軽に触れられる時代です。読書を通じて偉大な人の思想に触れられる——これほど贅沢なことはありません。だからこそネットの情報に振り回されずに、偉人の片鱗に触れていく時間を意識的に作っていくことが大切だと考えています。
読書は集中力の訓練|人生を好転させる作業

最後に、読書の隠れた効果についてお話しします。
集中力が人生を変える
齋藤さんは「読書は集中力の訓練にもなる」と述べています。これは本当にその通りで、集中力が養われると人生が好転するのを私も実感しています。思考力を深めるには「感情をのせて読む」ことが大切。ただ文字を追うのではなく、著者の思いに共感したり、反発したりしながら読むことで、自分の思考も深まっていくのです。
「読書は人生を好転させる作業」
これらの体験から、私は確信を持って言えます。「読書は人生を好転させる作業である」と。AIが発達し、情報があふれる時代だからこそ、読書によって得られる深い思考力と教養が、あなたの人生を豊かにしてくれるはずです。今日、スマホを置いて一冊の本を手に取ってみませんか?著者との対話の中で、きっと新しい自分に出会えるはずです。

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